
【S】―エス―01
第18章 影の命
◇1
パチ、パチ、パチ――。
宵闇と静寂に、ゆるゆると響く拍手の音。
瞬矢は目を細め、顔の手前まで持ってきた懐中電灯で声と拍手が聞こえた先を照らす。
ゆっくりと足元から辿るように。ぽっかり浮かんだスーツ姿の人影、そしてその正体。
あり得ない……。そんな思いが溢れていた。
なぜならば今、瞬矢の眼前にいるのはコテージで首を縊(くく)り死んだ茜の父親である東雲 暁であったからだ。
「見つけたようだね」
相変わらず感情の読み取れない、平坦な口調で彼は言う。だが暗がりと逆光で、その表情までははっきりと窺えない。
「なぜ……なんで……!?」
死んだはずの人物に地中から出土した無数の骨……。
あまりにもあり得ないことの数々に瞬矢の思考は混乱を極め、懐中電灯を片手に立ち上がり声を荒らげる。
すると眼前の東雲 暁なる人物は口元に軽く握った右手をあて、くすりと笑んだ……ように見えた。
グレーのスーツに身を包んだ彼は開口し、低く落ち着き払った声で答える。
「全て話すよ」
パチ、パチ、パチ――。
宵闇と静寂に、ゆるゆると響く拍手の音。
瞬矢は目を細め、顔の手前まで持ってきた懐中電灯で声と拍手が聞こえた先を照らす。
ゆっくりと足元から辿るように。ぽっかり浮かんだスーツ姿の人影、そしてその正体。
あり得ない……。そんな思いが溢れていた。
なぜならば今、瞬矢の眼前にいるのはコテージで首を縊(くく)り死んだ茜の父親である東雲 暁であったからだ。
「見つけたようだね」
相変わらず感情の読み取れない、平坦な口調で彼は言う。だが暗がりと逆光で、その表情までははっきりと窺えない。
「なぜ……なんで……!?」
死んだはずの人物に地中から出土した無数の骨……。
あまりにもあり得ないことの数々に瞬矢の思考は混乱を極め、懐中電灯を片手に立ち上がり声を荒らげる。
すると眼前の東雲 暁なる人物は口元に軽く握った右手をあて、くすりと笑んだ……ように見えた。
グレーのスーツに身を包んだ彼は開口し、低く落ち着き払った声で答える。
「全て話すよ」
