【S】―エス―01
第18章 影の命
送られてきたのは静止画像だった為、ただ眠っているだけなのか無事なのかそれすらも分からない。
瞬矢の胸中を言い知れぬ不安がよぎり、早まる鼓動。
再び携帯の呼び出し音が鳴る。
『彼女を返してほしいならさ、ここまで来なよ? 場所は……』
電話口の向こうでくつくつと笑いながら、瞬矢の反応を楽しむかの如く語る刹那。「待ってるよ」最後にそう言い残し、ぷつりと通話は途切れた。
通話終了の機械的な音が虚しく響くばかり。
瞬矢はその場に佇み携帯電話に視線を落とし、しばらくそれを聞いていた。だがやがて終話ボタンを押し、東雲 暁の方に向き訊ねる。
「あいつはなぜ、こんなことを?」
「それは、君の方が分かってるんじゃないか?」
「俺が……?」
(俺がもし、あいつだったら――)
考察するも茜の安否を気にかけるあまりよい考えが浮かぶことはなく、焦燥感たっぷりな面持ちで歩幅を広めに踵を返す。
瞬矢の胸中を言い知れぬ不安がよぎり、早まる鼓動。
再び携帯の呼び出し音が鳴る。
『彼女を返してほしいならさ、ここまで来なよ? 場所は……』
電話口の向こうでくつくつと笑いながら、瞬矢の反応を楽しむかの如く語る刹那。「待ってるよ」最後にそう言い残し、ぷつりと通話は途切れた。
通話終了の機械的な音が虚しく響くばかり。
瞬矢はその場に佇み携帯電話に視線を落とし、しばらくそれを聞いていた。だがやがて終話ボタンを押し、東雲 暁の方に向き訊ねる。
「あいつはなぜ、こんなことを?」
「それは、君の方が分かってるんじゃないか?」
「俺が……?」
(俺がもし、あいつだったら――)
考察するも茜の安否を気にかけるあまりよい考えが浮かぶことはなく、焦燥感たっぷりな面持ちで歩幅を広めに踵を返す。