【S】―エス―01
第19章 真相、そして――
陸は横たわり息絶えるそれを見ても、別段これといって驚く様子はない。
むしろ、道端に転がった石ころを見るような口調で平然と言ってのけるのだ。
「――で、誰これ?」
陸の問いかけに、刹那は地面に転がるそれを見下ろして呟く。
「……知らない」
だが刹那には心当たりがあった。屋敷の地下にある研究施設で見た人物。その人物は――。
ふと目に留まったのは、地面に投げ出された警察手帳。それを拾い上げ、中を確認する。
(……『新田』? あぁ、偽名か)
あの時自分に向けられた笑顔の理由も最早知る術はなく、それすら今となっては詮なきこと。再び男に視線を落とす。
「これから、どうするんだ?」
横たわるそれに興味を失ってか、ゆっくりと刹那に視線を移して陸は問う。
刹那は茶色の双眸で男を見下ろしたまま、しばし思考を巡らせる。
これからも、彼らのような人間が少なからず消しにかかるだろう。自分の存在をこの世から抹消する為に。
ならば、とるべき手段はただひとつ。
「決まってるさ」
むしろ、道端に転がった石ころを見るような口調で平然と言ってのけるのだ。
「――で、誰これ?」
陸の問いかけに、刹那は地面に転がるそれを見下ろして呟く。
「……知らない」
だが刹那には心当たりがあった。屋敷の地下にある研究施設で見た人物。その人物は――。
ふと目に留まったのは、地面に投げ出された警察手帳。それを拾い上げ、中を確認する。
(……『新田』? あぁ、偽名か)
あの時自分に向けられた笑顔の理由も最早知る術はなく、それすら今となっては詮なきこと。再び男に視線を落とす。
「これから、どうするんだ?」
横たわるそれに興味を失ってか、ゆっくりと刹那に視線を移して陸は問う。
刹那は茶色の双眸で男を見下ろしたまま、しばし思考を巡らせる。
これからも、彼らのような人間が少なからず消しにかかるだろう。自分の存在をこの世から抹消する為に。
ならば、とるべき手段はただひとつ。
「決まってるさ」