【S】―エス―01
第24章 兄弟
◇1
「――刹那を助けたい」
そう言い一点を見据える彼の水色の瞳に対して、もう以前のような恐怖心は沸いてこなかった。その要因としては、彼の個が意志が茜の目にも窺えたからだろう。
今は、刹那の背後で空間を創り出す光の粒がなんなのか。
歪でありながらも膨張をし続ける、美しくも計り知れないエネルギーを秘めたそれへの恐れを抱いていた。
光の粒を終結させた空間は、時折ひゅうと全てを飲み込むかの如き追い風を生む。
やがて、がたがたと窓やドアの立て付け、剥き出しとなった鉄骨が悲鳴を上げる。
「茜、先にここから離れてろ。外で、父親が待ってる」
「!?」
前方を見据えたまま発した瞬矢の言葉に、茜はどうにも驚嘆を隠せず目を見張る。
(……お父さんが、生きてる!?)
「ほん……とに?」
自身でも驚くぐらい訥々(とつとつ)とした問いを返す。彼は前を見据えたまま淡々と答える。
「ああ、本当だ。俺も初めは信じられなかったが、確かに生きてる。約束は果たした」
「――刹那を助けたい」
そう言い一点を見据える彼の水色の瞳に対して、もう以前のような恐怖心は沸いてこなかった。その要因としては、彼の個が意志が茜の目にも窺えたからだろう。
今は、刹那の背後で空間を創り出す光の粒がなんなのか。
歪でありながらも膨張をし続ける、美しくも計り知れないエネルギーを秘めたそれへの恐れを抱いていた。
光の粒を終結させた空間は、時折ひゅうと全てを飲み込むかの如き追い風を生む。
やがて、がたがたと窓やドアの立て付け、剥き出しとなった鉄骨が悲鳴を上げる。
「茜、先にここから離れてろ。外で、父親が待ってる」
「!?」
前方を見据えたまま発した瞬矢の言葉に、茜はどうにも驚嘆を隠せず目を見張る。
(……お父さんが、生きてる!?)
「ほん……とに?」
自身でも驚くぐらい訥々(とつとつ)とした問いを返す。彼は前を見据えたまま淡々と答える。
「ああ、本当だ。俺も初めは信じられなかったが、確かに生きてる。約束は果たした」