【S】―エス―01
第24章 兄弟
瞬間、辺りは眩い光に包まれ、ガキンッと金属を鋭利な物で叩いたような音が響き渡る。
やがて、無機質で冷たく鈍い音がその正体を現す。瞬矢の左拳に銀色の物体がぐるりと一周している。
それは瞬矢がずっと左手に持っていた腕輪だった。【S‐06】と刻まれた腕輪は手の内で砕け、ぱらぱらと宙に霧散した。
互いの思考こそ違えど、両者共に微笑を浮かべている。
淡い桜色の光の粒を螺旋状に纏った刹那の右手が、コートの上から左胸を捉える。だが瞬矢は、決してそれをかわそうとしなかった。
右手は瞬矢の衣服を容易く切り裂き、更にその下の皮膚を抉る。
「……ぐっ」
堪えるように低く呻き、噛み締めた歯の間からわずかに散る赤い飛沫。多少よろめくも倒れることなくバランスを保つ。
穿っているその腕をしっかと掴み、くしゃり顔を歪め笑う。
そう。全ては瞬矢の計算どおり。
「刹那、プレゼントだ」
「――っ!?」
反射的に危険を察知し、刮目した刹那は左半身を引こうとする。――が、
同時に仄青い光の粒を集結させた瞬矢の右手が、狙ったかのように刹那の左胸、鎖骨と胸骨の間を貫く。
やがて、無機質で冷たく鈍い音がその正体を現す。瞬矢の左拳に銀色の物体がぐるりと一周している。
それは瞬矢がずっと左手に持っていた腕輪だった。【S‐06】と刻まれた腕輪は手の内で砕け、ぱらぱらと宙に霧散した。
互いの思考こそ違えど、両者共に微笑を浮かべている。
淡い桜色の光の粒を螺旋状に纏った刹那の右手が、コートの上から左胸を捉える。だが瞬矢は、決してそれをかわそうとしなかった。
右手は瞬矢の衣服を容易く切り裂き、更にその下の皮膚を抉る。
「……ぐっ」
堪えるように低く呻き、噛み締めた歯の間からわずかに散る赤い飛沫。多少よろめくも倒れることなくバランスを保つ。
穿っているその腕をしっかと掴み、くしゃり顔を歪め笑う。
そう。全ては瞬矢の計算どおり。
「刹那、プレゼントだ」
「――っ!?」
反射的に危険を察知し、刮目した刹那は左半身を引こうとする。――が、
同時に仄青い光の粒を集結させた瞬矢の右手が、狙ったかのように刹那の左胸、鎖骨と胸骨の間を貫く。