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【S】―エス―01

第26章 第二部‐古城の少年‐

 男の提案をきっぱりと撥ね除けた刹那は、庇うかの如き所作で少年の肩に左手を置き背後へと押し隠す。


 そして、薄紫色の双眸で鋭く見据えた先にすうっと右手を翳(かざ)した。


 衛兵は銃口を向け構え直し、一触即発の空気が展開する。



 ――なぜ刹那が少年と行動を共にし、このような事態に至ったのか。事の始まりは、ひとつの依頼からだった。

 

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