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【S】―エス―01

第27章 消えない過去

 それが憎悪の対象としてなのか、それとももっと他の【何か】なのか、彼女の中でも現状判断しかねるのであった。


「約束よ、話してあげる」


 リンは遊歩道沿いのベンチに腰かけ、天を仰ぐ。


「ワタシの名前は『リン・メイ』。けれど、察しのとおり『レディ・メイ』でもあるわ」


 そうして彼女は語り始めた。自身の過去、そして今に至るまでの経緯を。


 

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