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【S】―エス―01

第30章 日本へ……

 自らの脱いだ上着を小脇に抱え、まだ見ぬ世界と未来に対し待ちきれないといった様子で催促する。


「あぁ……そうだね。行こう」


 咲羅に視線を送り相槌(あいづち)を打って微笑みかけると、そっと手を引き正面の自動ドアを抜ける。


 焼けたアスファルトの熱気と午後の日差しが眩しく照りつけ、きっと大丈夫――そんな思いを胸に瞬矢たちのもとへ向かう為、空港を後にした。



 

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