
【S】―エス―01
第33章 計画
◇1
同年、8月3日――日本。
屋敷跡の裏手にある墓地で、刻印入りの骨を拾った瞬矢たち3人。
意見が一致した彼らは、主のいない『東雲 刹那』の銘だけを刻んだ墓石がひっそりと佇むその場所を後にした。
そして一路、この件について最も関わりの深いとされる人物のもとへ。
1時間以上が経過し、時刻は午後5時24分を迎えようとしていた。東の空から徐々に夕闇が追い迫る。
山道を延々と走らせ着いたのは、同じく郊外の山裾に位置する、今はもう利用されていない研究施設。
利用者不在とあってか、辺りは人の気配もなく、照明もついていない。
すでに夕刻で暗くなり始めてきたということも相まり、辺りに蔓延(はびこ)る闇がより一層建物全体の不気味さを演出していた。
敷地の外に車を停めると正面からではなく裏口へ回り、そこから施設内に侵入する。
建物の中は明かりのひとつもついていない為、暗く見通しが悪い。手元の懐中電灯が照らす光だけが頼りだ。
「なんか、あっちで音しなかった?」
茜が自身の背後を指し示し、恐々と訊く。まさかという思いから瞬矢が振り返ろうとしたその時、一筋の眩い光が視界を覆う。
同年、8月3日――日本。
屋敷跡の裏手にある墓地で、刻印入りの骨を拾った瞬矢たち3人。
意見が一致した彼らは、主のいない『東雲 刹那』の銘だけを刻んだ墓石がひっそりと佇むその場所を後にした。
そして一路、この件について最も関わりの深いとされる人物のもとへ。
1時間以上が経過し、時刻は午後5時24分を迎えようとしていた。東の空から徐々に夕闇が追い迫る。
山道を延々と走らせ着いたのは、同じく郊外の山裾に位置する、今はもう利用されていない研究施設。
利用者不在とあってか、辺りは人の気配もなく、照明もついていない。
すでに夕刻で暗くなり始めてきたということも相まり、辺りに蔓延(はびこ)る闇がより一層建物全体の不気味さを演出していた。
敷地の外に車を停めると正面からではなく裏口へ回り、そこから施設内に侵入する。
建物の中は明かりのひとつもついていない為、暗く見通しが悪い。手元の懐中電灯が照らす光だけが頼りだ。
「なんか、あっちで音しなかった?」
茜が自身の背後を指し示し、恐々と訊く。まさかという思いから瞬矢が振り返ろうとしたその時、一筋の眩い光が視界を覆う。
