【S】―エス―01
第4章 あかねいろ
その日の夜、瞬矢はテレビのニュースで例の遺体となって発見された人物が六野であることを知った。
そして彼の左頚部には、やはり【S】の文字が残されていたという。
右手で頭を抱えると1歩2歩と後ずさり、机の上に置いてあった煙草を取ろうと手を伸ばす。
だが手探りで取ろうとした為に、纏めてあった資料もろとも払い落としてしまう。
雑多な物が落ちる音に紛れ、床で弾ける金属音。
「……なんだ?」
瞬矢は思わず振り返り視線を落とす。
床には、部屋の照明に反射して鈍く銀色に光るデジタル式の腕時計が転がっていた。
よくよく見るとすでに壊れてしまっているらしく、文字盤には何も表示されていない。
光の反射加減で、留め金となっているプレート部分に何か文字らしきものが彫り込まれているのが窺える。
目を凝らすとそこには、腕時計のシリアルナンバーらしき【S‐06】という数字が刻まれていた。
その数字を見た時、瞬矢の中に言い知れぬ悪寒のようなものが走り抜けたのだった。
そして彼の左頚部には、やはり【S】の文字が残されていたという。
右手で頭を抱えると1歩2歩と後ずさり、机の上に置いてあった煙草を取ろうと手を伸ばす。
だが手探りで取ろうとした為に、纏めてあった資料もろとも払い落としてしまう。
雑多な物が落ちる音に紛れ、床で弾ける金属音。
「……なんだ?」
瞬矢は思わず振り返り視線を落とす。
床には、部屋の照明に反射して鈍く銀色に光るデジタル式の腕時計が転がっていた。
よくよく見るとすでに壊れてしまっているらしく、文字盤には何も表示されていない。
光の反射加減で、留め金となっているプレート部分に何か文字らしきものが彫り込まれているのが窺える。
目を凝らすとそこには、腕時計のシリアルナンバーらしき【S‐06】という数字が刻まれていた。
その数字を見た時、瞬矢の中に言い知れぬ悪寒のようなものが走り抜けたのだった。