
【S】―エス―01
第36章 決行
◇1
12日、午前1時30分――ネッカーシュタイナハ。
ベッドの縁へ腰かけ、瞬矢と刹那の2人に自分たちの意識が咲羅の思念とどこかしらで通じていること、そしてそれが彼らに見せた夢のことを聞いた茜。
その際に、ここへ赴く前のいくつかの出来事を思い出す。
ひとつは、2年前の事件。
あの時も、2人は意識や記憶といった類いのものを共有化していた。あのことがあったからこそ、今回の話もより真実味を帯びてくる。
そしてもうひとつは、日本を発つ前日に研究施設で前もって確認した、メモリーカードに記録されている内容だった。
約1週間前――日本。
丁度、施設内の事務室のデスクにあったパソコンを起動させ、刹那が所持しているメモリーカードのひとつを受け取り差し込む。
立ち上がったパソコン画面のフォルダに表示されたデータファイルを、3人は前のめりに確認する。それは、静止画像ファイルと音声ファイルであった。
デスクの前の椅子に腰かけていた瞬矢が、ちらと振り返り訊ねた。
「どっちからいく?」
12日、午前1時30分――ネッカーシュタイナハ。
ベッドの縁へ腰かけ、瞬矢と刹那の2人に自分たちの意識が咲羅の思念とどこかしらで通じていること、そしてそれが彼らに見せた夢のことを聞いた茜。
その際に、ここへ赴く前のいくつかの出来事を思い出す。
ひとつは、2年前の事件。
あの時も、2人は意識や記憶といった類いのものを共有化していた。あのことがあったからこそ、今回の話もより真実味を帯びてくる。
そしてもうひとつは、日本を発つ前日に研究施設で前もって確認した、メモリーカードに記録されている内容だった。
約1週間前――日本。
丁度、施設内の事務室のデスクにあったパソコンを起動させ、刹那が所持しているメモリーカードのひとつを受け取り差し込む。
立ち上がったパソコン画面のフォルダに表示されたデータファイルを、3人は前のめりに確認する。それは、静止画像ファイルと音声ファイルであった。
デスクの前の椅子に腰かけていた瞬矢が、ちらと振り返り訊ねた。
「どっちからいく?」
