
【S】―エス―01
第36章 決行
瞬矢の左後方にいた刹那が画面を覗き込み、一言。
「どっちから見ても同じさ」
「じゃあ、こっちだな」
刹那の返答に、そのとおりだとふっと口元に笑みを溢した瞬矢はカーソルを合わせ、まず画像ファイルを開く。
ファイルを開き表示されたのは、屋敷内で何やら言葉を交わす数人の男性の画像。うち1人は茜の父親、東雲 暁である。
一際目を引いたのが、その中の1人、くすんだ金髪に眼鏡をかけスーツを着た男の姿だった。
その男を目にした途端に、刹那の表情が強張る。
「ハロルド……!」
低く呻くように吐き捨て、その鋭い視線は画像の人物を見据えていた。
(この人が、咲羅を生み出した人物……)
画像のハロルドなる人物と目が合い、ぞくり、全身へ走る悪寒に肩を竦める。そして、同時に感じた違和感。
隠して撮ったであろうにも関わらず、その視線はカメラの方を向いており、見つめていればもろとも掬い取られてしまいそうだ。
続いて音声の方にカーソルを合わせる。
やはりこれも、隠し録音しているのだろう。初めのうちは雑音ばかりだったが、やがてその音に混じり、くぐもった会話が聞こえてきた。
「どっちから見ても同じさ」
「じゃあ、こっちだな」
刹那の返答に、そのとおりだとふっと口元に笑みを溢した瞬矢はカーソルを合わせ、まず画像ファイルを開く。
ファイルを開き表示されたのは、屋敷内で何やら言葉を交わす数人の男性の画像。うち1人は茜の父親、東雲 暁である。
一際目を引いたのが、その中の1人、くすんだ金髪に眼鏡をかけスーツを着た男の姿だった。
その男を目にした途端に、刹那の表情が強張る。
「ハロルド……!」
低く呻くように吐き捨て、その鋭い視線は画像の人物を見据えていた。
(この人が、咲羅を生み出した人物……)
画像のハロルドなる人物と目が合い、ぞくり、全身へ走る悪寒に肩を竦める。そして、同時に感じた違和感。
隠して撮ったであろうにも関わらず、その視線はカメラの方を向いており、見つめていればもろとも掬い取られてしまいそうだ。
続いて音声の方にカーソルを合わせる。
やはりこれも、隠し録音しているのだろう。初めのうちは雑音ばかりだったが、やがてその音に混じり、くぐもった会話が聞こえてきた。
