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少女グレイスと森の魔女

第3章 来訪者

11『犯人探し』


「…!?」

グレイスは息を飲んだ。



占い師は目の前にいる人物とその話には興味なさそうだった。

「犯人探しですかい?
そいつぁ無理な相談ですぜ。他あたってくんな」



グレイスは黙ってうつむき、老婆の背後を通り過ぎようとしていた。



「あんたのほうがよっぽど当たる占いをしそうですぜ、へっへへ…ん?
よう!お嬢ちゃん、無事だったか。まさか今日も森へ行くのかい?」


「!」



老婆は顔を少しだけ横に向け、横目でゆっくりとグレイスの姿をとらえた。




グレイスと老婆の視線が互いに合う。



グレイスは頭巾の中から覗く老婆の目を見て震え上がった。



「か、買い物に行くんです!」

グレイスは急いで答えた。


「ほー、お手伝いか?感心だな。
ところで昨日はあれから森には行ったのかい?」


……



老婆の鋭い目を気にしながらグレイスは答える

「い…いいえ」

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