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少女グレイスと森の魔女

第3章 来訪者

14『嘘』


「誰だろうね?
グレイス、出ておくれ」




グレイスはドアに駆け寄る。

「はーい、どなた?」



……



「あれ?…変なの。
返事がないわ」



グレイスはドアを開けてみた。




「また会ったね、お嬢ちゃん…」


「…!?」


ドアの影からわざとらしく現れた老婆にグレイスはギョッとした。



「う、あ…し、知らない!
わたし何も知りません!」


「おやおや、あたしゃまだ何も聞いてないよ?」


「…!」

グレイスは慌ててドアを閉めた。


バタン!



ドア越しに声が聞こえてくる。

《ひひひ…
また来るよ、お嬢ちゃん》


グレイスの中から一気に色んなものが込み上げてきて体は震え、顔は青ざめていった。



「グレイス、どうしたんだい?」



母が駆けつけ急いでドアを開ける。




「なんだい…
誰もいないじゃないか…」

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