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少女グレイスと森の魔女

第4章 森の秘密

24『命名』


「だったら、そうだわ!
うん、名前は…
じゃーん!

グレイスにするわ!」



母は手に持っていたスプーンをポロリと落とし、忙しく口を軽く拭う。

「お婆さん
どうやら私たちには少し考える時間が必要なようです」


「…まあ、なんにしても急ぎはしないよ。さっき宝石につけた名前も悪かぁないと思うけどねぇ」


「…そうでしょうか」



老婆は杖をついてゆっくりと立ちあがった。



「さて、あたしゃそろそろ帰るとするよ。そのパイはいただいて帰るから包んでおくれ」


「あらあら、何にもおかまいも出来ずに…ちょっとお待ちになってて。

グレイス、お婆さんを送ってさしあげて」


「はーい」







母は玄関から手を振って2人を見送る。

「世代の違う二人が友達になるのもいいもんさ。グレイスにとっても良い経験になるだろうよ。
それにしても、グレイスの他にも森に入るような物好きがいるんだねぇ。一体どんな人物なんだろう?単なる物好きならば良いんだけどねぇ…」

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