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２７『帰り道』


｢グレイス、見て見て！
これ良いでしょう？｣

クレアは髪に着けた真新しい青色のリボンをグレイスに見せびらかしていた。


グレイスは老婆を見送った帰り道の途中でクレアと出くわしたのだった。



クレアは得意気にくるりと回ってみせる。



確かに綺麗なリボンではあったが、グレイスは自分の知っているものよりも遥かに劣る美しさにややさめていた。


何よりも自分の持っている素晴らしい物を今はクレアには知られたくなかったのでグレイスは一言もしゃべらなかった。



そんなグレイスにクレアはムスッとして目を細め、肩にかかった長い髪をゆっくりと手ですいて後へ流したあと、腰に手を当ててグレイスを見やる。

｢この前はあれから森には行ったの？本当は行ってないんでしょ？｣




……



クレアは横を向いて軽く溜め息をついた。