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少女グレイスと森の魔女

第7章 夜の森のとばり

48『男と女』


「あなた、どうなさったの?」


「ん…いや…
少し外を見てくる。ひょっとすると帰りは遅くなるかもしれん」


「なんですって!?
こんな夜遅くにどちらへ行かれるとおっしゃるの?
外は荒れているのよ?」



男は身支度を整え始めた。

「どうにも気がかりなことを思い出してしまったのさ。心配はいらないよ。先に寝ててくれ」


「待って!
こんな時に私をひとりぼっちになさるおつもり?
嫌よ、私!」


「きっとクレアはもっと寂しい思いをしているのだと思う」


「私もクレアは心配だけれど…でも、今でなくても!」



「君は少し疲れて心が不安定になっているんだな。無理もない。今夜は早く休んだほうがいい」


「そんな…
寝れるわけがないでしょう?どうやって寝ろとおっしゃるの?」


女は消え入りそうな声で男に懇願する。

「ねぇお願い、今私をひとりにしないで…」

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