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少女グレイスと森の魔女

第2章 昼下がりの森

6『森のざわめき』


森の入口までやって来たグレイスは足を止めずにいつも通り森の中へ踏み入ってゆく。


グレイスは今までに、いきなり森の奥深くまで入り込むようなことはしなかった。

今日はここまで、次はそのもう少し先まで、これを繰り返しながら森を探索してきた。

目印になるようなものがあればよく覚えておいた。

クレアとは恐れているものが違うのだ。



グレイスは草木の匂いに囲まれながらキノコや木苺、花を見ては採りながら森の奥へ奥へと進んで行く。


今日は天気がいい。

歩くたびに気持ちのよい木漏れ日がグレイスの体を包み込む。



前回の探索で最後の目印になった大きな岩が見えてきた。

その目印を通り過ぎると森の雰囲気が少し変わってることにグレイスは気づいた。

途端にグレイスの好奇心と視線が色んなところに向けられ動き回る。


足元を確認しながらグレイスは慎重に歩いてゆくが、その歩みには幼いなりに力がみなぎっていた。


ふと、ひしめく木々の発する音を聞いてグレイスは薄暗い森の中でひとり思う。


風が出てきたのだろうか?

なんだか森がざわついているよう…

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