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７３『めぐる季節』


私の家の入口の前に母が立っていてクレアのお父様と何か話している

そこで私の目は覚めた



私はクレアのお父様におんぶされて家の前まで帰って来ていた



私は最後の難関をすっかり忘れて寝て過ごしていた




温かい背中をおりて地面に足をつけると、体のあちこちが急に痛みだす




私が下を向いて母の前に出ると、母は｢グレイス｣と呼びかけた後に、一瞬痛そうな顔をして上を向いた私の顔をはじけるように強くひっぱたいた






町では人知れず最後の行方不明者が出ていたけれど、それはすぐにクレアの家で発見された


発見されたのはぶっきらぼうなしゃべり方をするあの占い師だ

ナイフのような物で胸を刺されて息絶えていたらしい






あれから時が経った今でもふと思い出す


もしもあの時に、私がクレアに宝石を渡していたならクレアは死なずにすんだのだろうか…？


私が宝石を勝手に持ち出してさえいなければ…

宝石を見つけていなければ…


森に入っていなければ…



全ての始まりは知らない別のところにあったけれど

私はきっかけを作ってしまったように思えてしまう