友達以上恋人未満
第1章 出会い
彼の手は大きくて、指が男の人らしく
太い感じが握っていて伝わってきた。
月明かりに照らされる
くしゃっと笑う顔が、
素敵だと思った。
私は普段いろんなことに不満があった。
人懐こい性格ではなく、
友達も多くなかった。
どこかでいつも孤独を感じていた。
初めて会う人のことなんて
信じてなかった。
彼のことも、やりたいだけだろうとか、
女の子なら誰でもいいんだろうって思ってた。
でも彼の笑顔は、
私を落ち着かせてくれた。
握っている手が、
今私はひとりじゃない
と思わせてくれた。