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ひざカックン

第9章 てんき



「…サイテーのヘンタイね…」


彼女はうつ伏せで僕の顔を見ないまま、そう呟いた。

そして、そのまま気絶するかのように眠ってしまった。

僕は彼女の身体にタオルをかけ、片付けをして、外へ出た。

近付いている台風の影響で、空は無理やり混ぜ合わせた水彩のような灰色をして、風はゴウゴウと音を立てて吹いていた。

いっそ、僕も吹き飛ばしてくれたらいいのに…

そんなことを思って、僕は彼女の家を後にした。

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