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ひざカックン

第9章 てんき


「だけどね…ほら、これ」

彼女は飼育ケースを取り出して見せた。

「よく見て…あの子達、卵を産んだのよ」

枯れ枝の隅に半透明の小さな丸い粒がいくつも集まってあった。

ナメクジの卵だった。

「…ほんとだ!」

「ね!凄いでしょ!?」

「うん!」

僕は嬉しくなって彼女の顔を見る。

彼女は笑っていた。

僕も笑った。

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