山岸君と照井君
第17章 甘い香り―――…。
「旨いか?」
「うん!!美味しい!!冷めてもフワフワな甘い玉子焼き!宏樹!これ、美味しい〜!隣の、しょうが焼きのタレが移ってるのも…庶民弁当って感じがいい」
山岸は、テンション高めに俺に詰め寄るが――――…
俺と目が合うと、ちょっと睨む―――――――――…
迎えに来なかったこと…まだ根に持ってやがるな…
しかし、弁当を口に入れる度に…喜びながら…揺れている…
「悪かったよ…だから、そんなご機嫌斜めな顔で弁当を食うな!
母さんの旨い弁当が不味くなっちまうぞ?」
すると、睨みをきかせた山岸のが……あ…そっか…と…弁当を見つめる――――…
「睨んでいて…この旨さなら…
笑顔で…食べたら…更に旨いのか!?」」
山岸は、弁当をじ〜っと見つめ…
ため息をつく……
「明日は…―…迎えに…来いよ…」
って―――――…
照れながら笑って―――…
見せた…
「やばい……」
俺はその笑顔に……
ノックアウト――――――…