山岸君と照井君
第4章 独り占め―――…。
変な感覚を手のひらに感じながら…
俺は、山岸を連れて店の外に出た―――――…
「山岸―――…大丈夫か?」
「あぁ――――…大丈夫だ」
―――――…すっ―――…
っと…当たり前の様に…
何事もなかったかの様に俺の手から離れる―――…
山岸の手―――――――…
「あ――――――…」
俺は……どんどん…離れていくその手に……
寂しさを感じる――――…
「待って―――――…」
「―――…な…なに?」
俺は自分の行動に――――…
唖然とする――――――…
離れていく…山岸の手を追いかけ…
再度…
握りしめていたのだから―…
「―――…何を…している?」
「―――…解りません…」
正直……解らなかった…
「――――…まずは…その手を…離していただきたいのだが……」
山岸の冷静な言葉に……
何故か…ムカついた――――…
さっきは…ギュッて…握りしめてたくせに――――…
俺は黙って……
手を離した――…