山岸君と照井君
第4章 独り占め―――…。
俺は…動揺していたが……
このまま――――…離したくない…
とも…思っていた――――…
多分……
俺の手のひらにピッタリ合い…
心地いいだけなのかもしれない…
多分…
この感情に――――――…意味はない…
ない……よな…
「て…照井君――――…も…申し訳ないのだが……
この店に…僕は…馴染めないようだ―――――――…
外で…待っててもいいか?」
ギュッっと…手を握りしめる感覚に…
ドキン!!っとした―――…
しかし、山岸の顔を見ると…何だか…疲れきっている…
圧迫感の強い…陳列方法や…
会話がギリギリ出来るぐらいの高い音量のBGM…
黒を基調とした…ダークな色合いの服の数々…
どれを取っても…ガリ勉眼鏡には…着いていけない世界だったみたいで…
目眩がするのか…繋いだ手に寄りかかる―――――…
「大丈夫か?山岸…いいよ、俺も出るから……無理すんな―――――…」
山岸は、コクンとうなずきながら…
ギュッと、手を握りしめる――――――――…
「////…っ…」
くっそ―――――――…
くそ!!くそ!!
ばか野郎!!――――…
――――――…ばか野郎!!
やっぱり…俺―――――…
おかしい…