山岸君と照井君
第38章 番外編①―――……
落ち込み――――…
項垂れていると――――…
ジャラ―――…と…
首から…何か…ぶら下がる…
「――――…ネッ…クレス?」
少し長めのチェーンの……ネックレス…
タグ着き?
「――――…駄犬には…首輪が必要だろ?
今日――――――…渡そうと思って…」
ジャラっと…長めのチェーンを手繰り寄せ…タグを手のひらに乗せる…何か刻まれている――――――…
「―――…住所と…岳心さんの名前?」
「迷子になっても…帰ってこれる――――…
さっきみたいに……バカな事を言う前に……する前に…このタグを見ろ――――…
この…駄犬が―――――…」
岳心さんの手が―――――…タグを持つ俺の手と重なる―――――…
迷子札…か……
確かに……俺には必要だ――…
「――――…ありがとう…ございます…
これで…もう―――…迷いません」