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風景画

第19章  夜長月 ③




降りやまない秋の雨…



額で受けたひと粒が

頬をつたい

口元で緩やかに動きを止める



そっと

恋しい人の名を呟けば

唇をなぞるように滑る雫…



指先で拭いながら

零す吐息で心がゆれる







(了)



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