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風景画

第21章  夜長月 ④




濃紺の夜空に

薄く雲が流れて

静寂があたりを満たしてゆく



グラスを片手に窓辺にもたれ

夢とうつつを行き交えば

柔らかな涼風に乗って

妖精たちのざわめきが聞こえる



弾けるような笑い声

歌うような戯れ

やがて ひとりが囁いた



ずっと傍にいて

あの人を見守っているよ・・・



私は安堵の吐息とともに

眠りの底へ墜ちてゆく







(了)



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