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風景画

第21章  夜長月 ④




どこからともなく

漂い来る薫りこそ

金木犀の花の刻…



密やかなおとないは

甘いひと夢となって

愁いをはらい

優しい惑いを心に満たす



そして

摘みたての花を醸しては

刻を過ごした後の形見に

薫りをとどめる



あなたを想い

静かに、静かに酔うために…







(了)



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