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風景画

第23章  夜長月 ⑤




きまぐれに

指先の葡萄の実ひとつ

午後の光にかざす時

ひとすじの雲に映えて

高まる芳香…



雫をまとう肌に唇を寄せれば

秋に口づける心地して

風もまた

紫に染まりゆく







(了)



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