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風景画

第26章  時雨月




立ちのぼる芳香を片手に

見上げれば

薄衣のように雲は流れ

心惑わす



風に揺れる髪

陽に透ける細い指



浮かぶ面影は

珈琲のひとくちごとに

鮮やかで…



けれど物思いの

夢は ただ 夢・・・

浅葱色の空に儚く消える







(了)



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