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風景画

第38章  雪待月




白波をたてて

湖面を風がわたってゆく

オールを休めたボートが

頼りなげに小さく揺らぐ



鳥の声

水の音…



静かさを際立たせ

胸のざわめきばかりが

耳につく



あなた あなた

どうぞ私を…



放つ言葉に心は惑い

ただ

秋の中に立ちつくす







(了)



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