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風景画

第42章  雪待月 ③




心のままにグラスを重ね

鏡の世界を行き来すれば

酔いは楽しく

少し哀しく



そして

知らぬ間に落ちてゆく眠りの底…



やがて払暁

気怠い目覚めは

きれぎれの夢の名残と

朧に浮かぶ雲の影



珈琲を片手に窓辺にもたれ

曇るガラスに また

あの人の夢をみる







(了)



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