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風景画

第60章  初空月




茜色が溶けかかる

パウダーブルーの空



白色を

ひとすじ撫でたように

飛行機雲が尾を引いて

渡ってゆく



ほんの小さなため息にも

消えてしまいそうで

かざした両の指で

四角くフレームを囲む



あなたのもとへ

そのまま届けたくて…







(了)



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