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風景画

第65章  intermezzo 〜青い鳥異聞




海を抱く国の

孤独な王が触れを出す

幸福の青い鳥を探すよう

探したものには褒美を、と



人々はこぞって山野を駆け巡り

隣国までも歩を進める



やがて差し出される青い鳥



ある者は白鳩を顔料で染め

またある者は

かつては青い鳥であったと

碧玉を籠に入れる



紛いと偽り…



憂いのままに中庭を歩けば

庭師の娘が楽しげに花と戯れ

優しく歌を口ずさむ

陽に透ける髪 大きな瞳



けれど

見つめる視線に気が付けば

頬を染めて逃げ去る娘…

王の胸に火が灯る



「花を愛でるその眼差し

優しい声を

私に注いではくれないか…

その手を取らせてくれないか」



王の想いは娘を捕らえ

震える肩を抱き寄せながら

花影で交わす口づけ

ふたつの鼓動が重なり合う



恋は喜び 愛はやすらぎ

その腕に囲った温もりこそ

王の望みの青い鳥



孤独は



時の流れに埋もれゆく







(了)



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