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風景画

第77章  桃月




窓のうちで薄日が揺れる…



グラスの肌を

ひとつ 雫が伝い落ち

指先で追えば

ふいに

唇から零れるあなたの名



束の間

ざわめきは遠ざかり

愛しい面影と

ふたり過ごす心地して

目を閉じる



…春まだ遠い午後の夢






(了)



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