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風景画

第87章  花残月




闇に滲む名残の花影



今宵ばかりは

火の酒よりも

吟醸の酒へと心傾く



月はなく

潤む夜気に震える指先

杯の面も揺れて…



想いを浮かべ飲みほせば

胸の深くに焔がやどる







(了)



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