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風景画

第89章  花残月 ②




錨を断ち切った船は

とどまる港を望まない…

ただ

荒れる海に向かうばかり



それを 繋ぎとめるのか



虚ろな心は

なくした景色を求め続け

やすらぎは

刹那の夢に過ぎないものを



その涙を厭う眼差しに

気付くことなく…



〜yへ







(了)



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