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風景画

第89章  花残月 ②




ゆらゆらと

目覚めゆく朝は

残り香を探すようなあてどなさ



涙だろうか…

肩に触れるシーツが冷たい



乳白色の霧の夢

岸辺を彷徨いあなたを探し

見つけられずに泣いたのか…



ガラス窓に吐息を零し

愛しい人と見つめたい

瑠璃色の海に想いを馳せる







(了)


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