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風景画

第91章  花残月 ③




春の宵に身をまかせ

何ともなく

グラスを宙にかざす



もたれる窓の硝子越し

背中に気配を覚えれば

雲間から注ぐ月明かり

肩に置かれた手のようで…



朧に揺らぐこの月は

愛しいあなたの窓辺にも

そっと

浮かんでいるものか・・・







(了)



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