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風景画

第1章  風待月




束の間の眠りの中

あなたの夢を見ていた…



彼方に見えるその姿

呼びかけても届きはしない

そして

遠去かる後ろ影は儚く霞む



駆け寄ることもできずに私は

身悶えしながら手を伸ばす

見つめるばかりのもどかしさ

胸の疼きで夢から醒める



目の前に車窓を流れる雲の波

頬の熱さを隠しながら

ただ あてどなく見つめていた






(了)



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