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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第1章 タオル【翔】

俺は右手で俺自身をつかむと、素早く手を上下させ摩擦を与える。

「はぁっ、はぁっ…!」

刺激が体の中心から全身に駆けめぐる。

左手のタオルに顔を埋める。
鼻腔を通りすぎ、肺まで潤の匂いで満たす。

「潤、潤…!」

ひざまづき、俺を見上げる潤。

『翔さん…。』

「呼ぶな!そんな甘い声で俺を呼ぶな!」

右手はいっそうスピードを増して上下する。

潤の匂いは血液に溶けて俺の全身をめぐる。

「あぁっ!あぁっ!」

上目遣いの潤が俺を捕らえてはなさない。

「見るな!見るな!潤!はぁっ…!」

俺は右手を動かし続けた。
腕が痙攣するほど強く、力一杯のスピードで自分を追い込んだ。

「あああああ…!」

頭の中がスパークし、目の前に火花が散った。

「じゅ…!潤…!」

俺の全身を雷が駆け抜け…

俺のすべてを潤の匂いのするタオルに放出した。

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