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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第1章 タオル【翔】

数日後、潤とレギュラー番組の撮影で会った。

「これ、潤のタオル。俺、間違えて持って帰ってしまって…。」

潤は、しばらくキョトンとしたのち、「あぁ!」と合点がいった様子だった。

「洗濯してくれたんだ。別にそのままでよかったのに。」

潤は、いつもの笑顔でタオルを受け取った。

「いや、ほら、洗濯なんて自分のもののついでだから。」

俺は焦って言った。
さすがに、あのタオルをそのまま返すことはできない。

「そう?ありがとう。わぁ、いい香りだね。」

潤は、タオルに鼻を埋めて匂いを嗅いだ。

「馬鹿!、やめろよ!」

俺は、潤を制した。
潤は、訳がわからず小首をかしげた。

「あの…、何でもないよ。ごめん。」

俺は、潤に謝った。

「変な翔さん…。まぁ、いいや。それにしても、いい香りだね。洗剤変えた?」

潤は、いつもよく観察している。
俺が持ち物を変えたりしたら、すぐに気がつく。

「いや、その、何だ…。最近買ったんだよ、その柔軟剤。」

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