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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第30章 ホワイトデー【潤】

「潤、お前、いつ結婚すんだ?」

「え!?」

翔さんは、思いがけないことを口にした。

「本当は、年明けに入籍したかったんじゃないの、噂の彼女と…。」

年明けに入籍するはずが、事務所のゴタゴタで先送りになったんではないか…、と翔さんは心配してくれていた。

優しい、翔さん。

でも違うんだよ。

俺が好きなのは…。

「ありがとう、でも大丈夫…。」

「そ? それならいいけど。」

それからしばらく飲んで、時計をみるともうすぐてっぺん。

「潤、タクシー呼ぶからもう帰れ。明日に差し支えるぞ。」

翔さんはそう言うと電話をかけてタクシーを呼んだ。

俺の返事も聞かないで。

タクシーが到着したとの連絡があり、俺は玄関で靴をはいた。

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