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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

リビングに戻ると、キヨさんが駆け寄り翔さんの手を取りソファへと座らせた。

潤「キヨさん、あとはやっておくから、今日は上がっていいよ。」

キヨ「そうでございますか。夕食の支度は済んでおりますので、温めて召し上がってくださいませ。」

キヨさんは手短に夕食の説明をすると、帰って行った。

潤「ねえ翔さん、真保がチーズケーキを焼いたんだよ。持ってきたから、食べる?」

翔「真保…、誰だ?」

潤「やだな、僕のワイフだよ。忘れちゃった?」

翔「ああ…、そうだったかな…。」

僕は紅茶を淹れ、チーズケーキを切り分けると翔さんの前のローテーブルに置いた。

翔さんは、しばらくチーズケーキをながめたあと、ひとくち口に入れた。

翔「うまい…。」

潤「だろ? 真保の焼くチーズケーキは絶品なんだよ。」

翔さんは、節くれだった震える指でフォークを持ち、ひとくち、またひとくち、チーズケーキを食べた。

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