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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

潤「翔さん、音楽聴く?」

翔「ああ…。」

僕は棚から一枚のレコードを取り出すと、ターンテーブルにのせ、そっと針を下ろした。

プチ、プチ、と小さなノイズが鳴ると、流れ出したのは静かなジャズピアノ。

翔さんは、目を閉じて音楽を聞いていた。

しばらくそうやって二人でジャズピアノを聞いていた。

翔「潤、次のツアーはいつからだ? 」

翔さんが、思い出したようにぽつりと言った。

翔「次のツアーでは、ピアノを弾こうかと思っているんだが…。」

翔さんは、リビングの片隅にあるグランドピアノをながめながら言った。

潤「翔さん、もうツアーはしないんだよ。
嵐は、もう20年以上も前から活動してないじゃないか。」

翔「ああ、そうだったかな…。」

翔さんが、再びピアノをながめた。

遠い目だった。

日も暮れてきた頃、夕食の準備をした。

キヨさんがビーフシチューを作ってくれていた。

ダイニングで二人向かい合って食べた。

翔さんは、震える指でゆっくりゆっくりスプーンを動かした。

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