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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

翔「ん…。」

翔さんは、気持ち良さそうに目を閉じた。

僕は手早く自分を洗うと、翔さんに向かい合って湯に浸かった。

湯の中で、翔さんの脚をマッサージした。

事故で動きにくくなった脚が固まらないように、ゆっくり曲げ伸ばしさせた。

翔「うっ…!」

翔さんが顔をしかめた。

潤「ごめん、痛かった? もっとゆっくりやるからね。」

僕は、ますます慎重に翔さんの脚をマッサージした。

足首も回して、指もほぐした。

翔「ふう…。」

翔さんが、心地よさげな息を吐いた。

嬉しかった。

翔さんは、ほとんど喋ることはないけど、おだやかな表情を見せてくれるだけで、僕は嬉しかった。

風呂から上がると、僕は翔さんを隅々まで拭いて、パジャマを着せた。

ダイニングで水を飲ませると、寝室へと連れて行った。

潤「おやすみ、翔さん。」

僕はベッドに横になった翔さんの頬をなでた。

翔「ん…。」

翔さんは、目を閉じた。

昔の翔さんなら、頬をなでたりしたものなら、手を払われていただろうな。

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