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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

翔さんをベッドに寝かせると、僕は照明のスイッチを切りに壁ぎわに行った。

壁ぎわのキャビネットには、たくさんの写真が飾ってあった。

今は亡き翔さんのご両親の写真や、離れて暮らす妹弟の写真。

取材や旅行で訪れた世界各国の写真。

そして、嵐のメンバーとの写真。

ハワイでのデビューと、15周年のコンサートの写真が一枚ずつ、写真立てに飾られていた。

デビューの時の写真は、皆まだあどけなく子供の顔だった。

そして、笑顔の裏に不安を隠しきれていなかった。

15周年の写真はずいぶん成長していた。

大きなイベントに向かう緊張感を、期待と興奮に昇華させている、そんな大人の男の笑顔だった。

俺は翔さんの隣で、満面の笑みを浮かべていた。

翔さんは、自信に満ちあふれたいい顔をしていた。

僕たちが、もっとも輝いていた瞬間だったのかもしれない。

僕はしばらく写真をながめていた。

翔「…潤?」

なかなか照明を消さない僕をいぶかしがって、翔さんが体を起こした。

潤「ごめん、すぐに消すよ。」

僕は照明をスモールランプにすると、翔さんの隣のベッドへともぐりこんだ。

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