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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

僕は自宅に帰ると、すぐにハワイ行きの手配を始めた。

バタバタと、なじみの旅行代理店に電話していると、ドアの向こうから真保がじっと見ていた。

真「あなた、ハワイって、櫻井さんと行くの?」

潤「ああ、来月翔さんと二人で行って来るよ。」

真保は驚いた顔をして、僕の腕をつかんだ。

真「二人って…。櫻井さんはお体も不自由だし、何かあったら…。それに来月は、私の舞台があるのに…。」

潤「翔さんのことなら大丈夫だよ。ハワイのホテルのデスクに話しておくし、翔さんのご兄弟に向こうのドクターも紹介してもらう。君の舞台は初日を見てから発つ予定だよ。」

真「千秋楽は見てくださらないの…?」

真保は悲しそうにうつむいた。

潤「僕がいなくたって、君は大丈夫だよ。日本を代表する大女優なんだから。」

僕は真保の肩をたたいた。

事実、真保は今でも舞台や映画のオファーが切れない、人気のベテラン女優だ。

事務所の若手の舞台をプロデュースしているといいながら、年に数回しか仕事のない僕なんかよりずっと忙しい。

そして、輝いている。

真保は今でもスポットライトの真ん中にいる。

過去の栄光をかさに、ひっそりと息をひそめている僕なんかとは違う。

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