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雨のち曇り、時々晴れ【ARS】

第33章 このままもっと【翔・潤】

それからは、真保と二人静かに暮らした。

真保が仕事の時は、僕が夕食を作って待った。

僕が演出する舞台があるときは、真保が出演者やスタッフみんなに差し入れをしてくれた。

休みの日は、一緒にウォーキングをしたり、ジムに行ったり、ドライブをしたり旅行に行ったりした。

真保と過ごす日々は、あたたかでやさしい時間だった。

真保はいつも微笑んでいた。

そんな真保を見ているのが、僕は幸せだった。

そんな日々が一年ほど続いたある日、翔さんの妹さんから電話があった。

翔さんが住んでいたあの家を売りに出すという。

一周忌が過ぎたら、手放すつもりだという。

「松本さんには、あの家でずっと兄を見ていただいていたので、事前にお知らせしようと思いまして。」

妹さんは、丁寧にそう話してくれた。

僕は、わがままを言って、売りに出す前に一晩だけ家を見せてほしいと頼んだ。

妹さんは、快く承諾してくれた。

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